就活と研究室生活
2016年入社の就活スケジュールは、前年と比べて大きく変わるらしい。
「就活」と聞いて思い出すのは、就職活動そのものの大変さもさることながら、研究室生活との両立の難しさだ。実際、私も就活中はかなりハードなスケジュールを組まざるを得なかった。
昼間は就活のために会社を回り、夕方以降は研究室に出向いて実験をして、帰宅後はエントリーシートを書いたり面接のシュミレーションをする・・・といった生活を内定が出るまで数ヶ月間にわたって続ける。一人暮らしの場合、自分の身の回りのこともすべて自分でやらなければならず、大変さはさらに増す。
しかも、研究室において指導的立場にある人物(教授など)が、何故か学生の就職活動を良く思っていない場合もある。酷い場合は、研究も真面目やっているのに「卒業させない」と脅したり、学生に就活の進捗状況を申告させ、壁に貼り出すようなこともある。学生に研究に集中してもらいたい、という気持ちからなのかも知れないが、こういった行き過ぎた行為は、就活中の学生をさらに追いつめてしまう。
とはいえ、新卒一括採用のシステムを今すぐに変えることはできないし、今回の大幅な就活スケジュール変更も良いのか悪いのか、私にはよく分からない。
ただ、就活と研究の板挟みに苦しんで、どちらもダメになってしまう、もしくは自分が潰れてしまうのは避けてほしいと思う。そのために、もし当時の就活中の自分に対してアドバイスをするなら、些細ではあるが以下の2つをやっておくといいよ、と伝えたい。
①記録を付けること
②逃げ道を見つけておくこと
まず、「①記録を付けること」についてだが、その日に行ったことを箇条書きで残しておくことをオススメしたい。例えば、
4月〇〇日
・9~11時:A社説明会
・13~14時:B社一次面接
・16~20時:研究室で、Xに関する実験およびレポート作成
といった感じに。ポイントは、スケジュールではなくて、実際にやったことを記録することだ。特に、研究室での活動もできるだけ詳細に記しておくことが大事だ。これによって、確かに就活に時間は割かれているものの、研究もおろそかにしていない、という証拠を残すことができる。実験中の写真を撮っておくなども良いだろう。
次に、「②逃げ道を見つけておくこと」について。残念なことに、就活がらみで研究室の指導員とトラブルになったという話はよく聞く。大事なのは、トラブルが発生した時に、相談できる人をあらかじめ見つけておくことだ。それは大学内の相談窓口かも知れないし、自分の味方になってくれる教授や先輩かも知れない。そしてこのようなときに、①の記録があれば、自分の主張を裏付けることができる。
たとえ、就活の期間は毎日研究室に通えなかったとしても、できる限り研究も進めようとした、という意志が記録から読み取れれば、不当に卒業を妨害されるようなことは無いだろう(と思いたい)。
とまあ、当時を振り返って書いてみた。別に①と②をやったからといって、内定がもらえる訳でも、卒業が確約される訳でもない。
ただ、「起こりうるトラブルを予測して先手を打っておく」という習慣は、働き始めてからもきっと役に立つと思うので、学生のうちから意識すべきことだと思う。